「エキサイト公式プラチナブロガー」スタート!

山本育夫毎日詩移行のお知らせ

山本育夫毎日詩は、Facebookの「山本育夫毎日詩」:に移行することにしました。
長い間、ありがとうございました。
断続的な「毎日詩」でしたが 笑
ま、それもいいじゃないですか。

山本育夫
[PR]

# by yamaiku1948 | 2012-11-17 03:02

山本育夫毎日詩79  はねのけて

脳溢血け
といったら
ずいぶん古い言い方をするね
とその男はいい
いまは
脳出血、とか脳梗塞
とかいうんだよ
とただした
おれの場合は、脳出血

左半身が多少引きずるような気配を
漂わせている

よかったね
この程度で
作品はつくれる
その男の左手をにぎると
強く握り返してきた

あ、だいじょうぶ
だいじょうぶだ
とぼくはいい

あわただしく
さっき分れてきたところだ
男の
粘り着くような視線を
はねのけて

d0057830_143681.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2012-03-11 14:36 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩 78 終末

おそろしいことをいおうか
とその男が後ろ向きでいうから
いわないで
と懇願した
ことばにしたら
ほんとうにいま
つま先から実現してしまうような
気がしたから
女は
遠い堤防の向こうに小さく
ひずんでいる空に
息を吹きかけながら

こうしてぼくらは
じょじょに
終っていったんだ

d0057830_14184352.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2012-03-11 14:18 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩 77  外堀の墓

暗く長いときの流れの先で
初めて生まれたばかりの
巨大なそれが
傾く

外堀の墓

男がいうから
そこにはなにか
埋まっているのかもしれない

おれは子を捨てて
タンポポの種を
ふっと
吹くように
はずれてしまった

d0057830_3325613.jpg
[PR]

# by yamaiku1948 | 2012-01-08 03:33 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩76    失踪

(大きな予感だね
(大きな大きな予感だ

2011年の秋口、
この国のただならぬ気配は
充ち満ちているのに
この凡庸な休日の昼下がりはどうだ

巷に放射性物質が満ちあふれている
ナウシカの季節だというのに
人びとは狂気にも陥らず
淡々と死に向かって生活をつづけている

いや、考えてみたら
原発事故があろうがなかろうが
確実に死に向かって生活をくりかえしていることに
変わりはないわけで

そんなことをいえば

d0057830_1535936.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2011-10-09 15:35 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩75    夕餉

顔のしわや
手のしみ
からだのたるみ
からだのにおい

ななめ向こう側から
大きなリフトがおりてきたので
その勢いで
放り出された

くしゃっと
そこら中で音がして
しわやしみやたるみやにおいが

駅からの道のりを
遠いと感じたことはなかった
その先で、あなたが
やわらかな夕餉などというものを
用意してくれていたから

d0057830_15484167.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2011-03-03 15:49 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩74   後ろ姿

久しぶりに
久しぶりの声で
その人が、訪れてきた
はるばるときたんだね、
こころをいくたびもはしょって
からだも、また

そんなふうに後ろ姿で
いないで
いつまでも
若くはないのだから
このあたりで
決断
というものに身を任せようじゃないか
そのひとはいい
ボクはそのことばを
二度こころで発音してみた
d0057830_15402163.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2011-03-03 15:40 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩73   ここにはない

さきのさき
先の、その先、末端の
かそけきものたち・・・
そこにふれようとして
はるばる
この地まで来たのか、と
その人はいい、
そんなものはここにはない、
どこにもない、
そうやって探しつづけているうちはね、
と追い討ちをかけられた

遠い海辺のまちの海岸通りで
カラスがまっ黒にたむろしていた

そんなものは、どこにもない
そんなものは

d0057830_1552395.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2009-12-12 15:52 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩 73    ターン

自分のことを
正確に判断することって
むずかしい
人のことはよく見えるのにね
(ヒントはここにある
ひとのことは、よく見えるんだ
だから他人事のように自分を見る

駅前通りの、一つ西側に
吉田のうどん屋があったのだけど
繁盛していたのに移転してしまい、
かわりにモツ屋さんが入った
勢いはあるのだろうか?
毎日、店の前を通りながら
様子をうかがう

勢いはある?
勢いなんて一時的なもの、
問題はそのあとです
勢いが消えた、そのあと
何を食べさせてくれるのか?

夏の終わりの積乱雲の下で
濃い影がつぶやくのだ
いやいや、食べさせてもらうのではなくって!
何を育てて食べるかだ、僕が

僕が!
そんなふうに
個人がとても大変な時代へのターン
きつくなるぞ
d0057830_11354189.gif

[PR]

# by yamaiku1948 | 2009-08-28 11:35 | 山本育夫の毎日詩

山本育夫毎日詩72 まんざらでもない

夕暮れの駅の先端部分は
ひりひりとしている
ひとけもない
その場所に
腰を下ろし
通り過ぎる電車を、何両見送ったか

どの時代に、だれが積み重ねたのか
わからない石積みを
見ていたことがあった
少したじろぎ
少し安心した

痕跡さえ刻めば・・・
世界はまんざら捨てたもんじゃないぞ

大きな影が
駅舎をまたぎこして
いま
通り過ぎていった

d0057830_1221698.jpg

[PR]

# by yamaiku1948 | 2009-07-24 12:02 | 山本育夫の毎日詩